広報・情報紙
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2024/7/1発行
大田区文化芸術情報紙『ART bee HIVE』は、2019年秋から大田区文化振興協会が新しく発行した、地域の文化・芸術情報を盛り込んだ季刊情報紙です。
「BEE HIVE」とは、ハチの巣の意味。
公募で集まった区民記者「みつばち隊」と一緒に、アートな情報を集めて皆様へお届けします!
「+ bee!」では、紙面で紹介しきれなかった情報を掲載していきます。
下丸子にアトリエを構え、大田区のアートイベントにも積極的に参加するアーティスト・青山悟さん。工業用ミシンを用いた刺繍という独自の手法で作品を発表しています。機械化によって変化する人間や仕事のあり方をテーマに活動する青山さんにご自身のアートについて伺いました。
愛用のミシンと青山さん、アトリエにて
アートとの出会いについてお教えください。
「僕の祖父が二科展の画家でした。子供の頃から展覧会に連れていかれたり、祖父が絵を描いているのを見ていたのがアートとの最初の出会いです。いわゆる現代美術に触れたのは大学に入ってからになります。僕がロンドン大学ゴールドスミスカレッジに入った時代は、YBA(ヤングブリティッシュアーティスト)*の時代でした。ダミアン・ハースト*はゴールドスミス・カレッジのファインアート科の卒業生で、90年代のロンドンが僕の現代美術の原初体験です。」
テキスタイルアート科に行かれた理由は何だったのでしょうか。
「ファインアート科を志望していたのですが、定員オーバーで入れなかったんです(笑)。テキスタイルアート科に入ってみたら、予想と全く違いました。日本の学校のようにテキスタイルのデザインを学ぶ場ではありませんでした。テキスタイルでファインアートを実践する。男性支配のアートの歴史の中でフェミニズム運動*と結びついて、テキスタイルという家庭で培った技術を使ってアートの世界へ乗り込んでいく。そんな目的の学科とは知らずに、入ってみて初めて気が付いた次第です。」
ご自身の表現方法として工業用ミシンによる刺繍を選んだのはなぜでしょうか。
「テキスタイルアート科に入ったら、テキスタイルにまつわる技術は全て体験します。手刺繍、ミシン刺繍、シルクスクリーン、ニッティング(編み物)、機織り、タペストリー等、全てやる。その中で単純にミシンがあった。クラスメートはほとんど女性です。学科の性格上、女学生しかいない中で、男が何をやっても勝手に意味が生まれてしまう。その意味とは何だろうと考えやすかったのが僕にとって刺繍・ミシンだったということです。」
『News From Nowhere (Labour Day)』(2019年) 撮影:宮島径©AOYAMA Satoru Courtesy of Mizuma Art Gallery
青山さんのテーマである労働と芸術の関係についてお話しいただけますか。
「ミシンがそもそも持っている言語の一つとして労働があると思います。ミシンは労働のための道具です。しかも、歴史的に女性の労働の道具だった。学科がフェミニズムだったこともありますし、手仕事から機械へと時代が変化していく時期のイギリスのアーツ・アンド・クラフツ運動*を勉強していく過程の中で、キーワードとして労働はどうしても出てくる。」
活動当初からのテーマなのでしょうか。
「僕が労働をコンセプトとして明確化したのは10年以上前になります。その頃はちょうどリーマンショック*だった。僕の周りでもみんなが『資本主義の終わりが来た』とか言い始めていました。その前まではちょっとしたアートバブルがありました。IT関係の人たちが作品を結構買っていた。そのコレクターたちがサァーっていなくなって、僕的にもやっぱり危機感を覚えました。」
『芸術への感受性を持つ合理的な人は機械を使用しなくなるだろう』(2023年) ポリエステルに刺繍
手縫いがあって、手動ミシンがあって、電動ミシンがあって、コンピューターミシンがある。ミシンという道具は、機械と手仕事の境界線が時代によってずれていくとても面白い存在だと思います。
「そうなんです。最新作にアーツ・アンド・クラフツ運動を主導したウィリアム・モリスの文庫本をそのまま刺繍したものがあります。ポストイットを貼ってあるページを開くと蓄光の糸で線が浮き上がる。『民衆の芸術』という学生の頃から読み込んだというか、折に触れて参照している本です。『芸術への感受性を持つ合理的な人は、機械を使用しなくなるだろう』と書いてある。ウィリアム・モリスにとってアーツ・アンド・クラフツ運動は、機械化していく資本主義への批判としての手仕事の復興です。手作りと社会運動が結びついていたのがアーツ・アンド・クラフツ運動です。モリスにとって機械は敵対するものでした。一方で、マクルーハン*が言っている『一つ前のテクノロジーは芸術になってしまう』という言葉がある。今となったら手で扱う古いミシン刺繍も立派な手作業として見られるようになっている。」
モリスの見ていた機械労働が機械労働でなくなってしまったのですね。
「その中にあっても、手刺繍の意味はやっぱり揺らがない。人間の手仕事の美しさは人間性そのものだし、美そのものみたいなところまで行き着いてしまう。ミシンの面白いところは、その矛盾・意味を両方はらんでいるところです。学生の頃から今も使っているこの古いミシンが結構重要で、古い機械を使えば新しいテクノロジーへの批評が常に生まれる。だからこそ、ミシンを選んだというのはあります。」
今お使いのミシンはいつごろのものでしょうか。
「推定1950年代の工業用ミシンです。でも、このミシンですらもう消えていく道具です。このミシンは横振りミシン*です。手元で振るとジグザクで太い線が書ける。でも、これを扱える職人もどんどんいなくなって、そもそもこのミシンが生産中止になってしまいました。今はもう全部デジタル化されています。コンピュータで糸のピッチとか全部選べるわけです。だからといってこのミシンにできることがコンピュータミシンができるかと言うと出来ないわけです。単なる資本主義批判じゃない、批評にも繋がる道具になっていると思います。」
批判と批評の違いとは何でしょうか。
「批判は分断を生んでしまう。批評は違います。アートは言葉ではない別の言語です。アートという別の言語を通じて、価値観の違う人同士がコミュニケーションを取ることができるはずです。ちょっとロマンチックすぎるかもしれませんが、分断を生むのではなく、分断を解消することができる。アートにはそういう役目・機能があると僕は信じています。批判をたやすく前面に出してしまうと、作品の入り口が一つになってしまう。作品の入り口が一つしかない作品はつまらないと思います。批評を批判だと勘違いしている人が多いですね。」
『N氏の吸い殻』(2023年)
コロナ禍の期間に、実際に着ることのできるシャツやジャケットをキャンバスにした作品を発表していらっしゃいます。生活とアートの関係についてどのようにお考えでしょうか。
「下丸子は町工場が多いエリアです。このアトリエの周りも町工場です。奥がエアコンの部品を作っている30年続いた家族経営の工場でした。コロナで業績が悪くなって、その時期にお父さんが亡くなってしまった。息子さんが会社を継いだのですが、工場を閉じていなくなってしまいました。『N氏の吸い殻』という作品は、奥の工場の倒産を知らせる貼り紙が貼ってあった工場の入り口の前に落ちていた吸い殻をもとに制作した作品です。恐らくここの工場主が吸っていたであろうタバコをもとにした作品です。僕もこの一角に一人で残されて、不安な気持ちになりました。」
身近な生活の一部がそのまま作品になった感覚でしょうか。
「コロナの頃は工場の人たちと『最近仕事きついよね』といった話をしていました。そんな皆さんが突然いなくなってしまった。機械や設備などを全部残したままです。僕は今まで労働をテーマにしてアート活動をしてきましたが、ある意味で『概念』でしかなかった。自分の生活に結びつけて語れていたのかという疑問が正直ありました。やっぱり背伸びしていたと思います。コロナによって、生活と労働の問題が自分の問題として降りかかってきた。この吸い殻は、言ってみたら他人の不幸じゃないですか。その他人の不幸を作品にすることに、やっぱり罪悪感みたいなものがある。あるのだけれど、それは自分にも起こり得ることだし、今、日本各地で起こっていることでもある。作品を制作する立場にいるのだったら、やはり作品にしようと思いました。」
『Rose』(2023年) 撮影:宮島径©AOYAMA Satoru Courtesy of Mizuma Art Gallery
美意識と思想の結び付きについてお話しください。
「ウィリアム・モリスは美意識と社会運動が結びつくことを示した作家だと思います。今のアートは美しくなくてもいいといった風潮もありますけど、やっぱり美しいものもいいなと思います。ただ、清濁併せ呑むではないですけど、美しいものにも美しくないものにも価値がある。例えば僕の煙草の作品は、必ずしも美に触れてないですよね。そういう作品もあれば、バラの作品みたいにある意味美学に触れている作品もある。2011年に震災の年限定で、単なる薔薇の花を作ったんです。震災の年はみんなが『アートに出来ることはない』といった発言をしていた。特に美学によっている作品を作るアーティストたちが言っていた。ちょっと違和感を感じました。ポジティブに言えば、アートの役目は今この時だけではなくて、100年後のためかもしれないし、ちょっと時間の流れが違うと思います。」
実際に私たちは100年前、1000年前のアートに接して新たな発見もします。
「アートに対するネガティブな声が広がっていたので、みんながそういう風に言っているから、逆に美学だけの作品を作ろう、美学だけの作品をその年に残そうと思いました。震災の前から作り始めたシリーズですが、後から振り返った時に、2011年は薔薇の作品だけになるようにして6本だけ作りました。そのバラが美学によった作品だとしたら、たばこの作品は全くの逆です。汚さだったり、これから消えていくものだったり、ゴミです。その両方に触れるレンジがアーティスト活動にはあると思います。」
展示風景(「名もなき刺繍家たちに捧ぐ」(2015年)ミヅマアートギャラリー) 撮影:宮島径©AOYAMA Satoru Courtesy of Mizuma Art Gallery
現代美術は思想性が担保されていなければならいという部分がありますね。
「例えば、僕の刺繍はみんなが『何で刺繍なの』と思うんです。その『何で』とそれの『意味』が自分自身にはね返ってくる。僕がアーティストを目指す若い人たちに話すのは、いわゆる大文字のコンセプトではなく、自分自身のコンセプトが大切だということです。いわゆるモチベーションです。どうして君はこれをやっているのか。そのモチベーションがどれほど大きいかというのが、現代美術・美術作家を続けていくためのエネルギーだと思う。モチベーションの切実さが問われている。」
「そのモチベーションを保ち続けるためにいろいろ哲学や思想に触れたり、社会問題に触れたりが不可欠になってきます。アーティスト人生は長い。僕だって今年50歳ですが、まだ半分も行ってない可能性がある。長いアーティスト人生で新鮮なモチベーションを保ってくために、アンテナを高くし、本を読み、街を歩き、今何が起こっているのかを見ていかなければいけない。もうすごく真面目な話をしていますね(笑)。」
*YBA(ヤングブリティッシュアーティスト):1990年代の英国で頭角を現わしたアーティストたちの総称。1992年にロンドンのサーチ・ギャラリーで開催された同名の展覧会から取られている。
*ダミアン・ハースト:1965年イギリス生まれの現代美術家。サメを巨大な水槽でホルマリン漬けにした作品《生者の心における死の物理的不可能性》(1991年)をはじめ、死のなかに生を感じさせる作品で知られる。1995年にはターナー賞を受賞。
*フェミニズム運動:女性解放思想に基づくあらゆる性差別からの開放を目的とした社会運動。
*アーツ・アンド・クラフツ運動:ウィリアム・モリスが主導した19世紀イギリスのデザイン運動。産業革命以降の機械文明に抵抗し、手工芸の復興や工芸の社会性・実用性を掲げ、生活と芸術の統一を主張した。
*リーマンショック:2008年9月15日に米国の投資銀行リーマン・ブラザーズが経営破綻したことをきっかけに、世界的な金融危機と不況に発展した現象のこと。
*ウィリアム・モリス:1834年生まれ、1896年没。19世紀イギリスのテキスタイルデザイナー、詩人、ファンタジー作家、社会主義活動家。アーツ・アンド・クラフツ運動主導者。「モダンデザインの父」と呼ばれる。主な著書は『民衆の芸術』、『ユートピアだより』、『世界のかなたの森』など。
*マクルーハン:1911年生まれ、 1980年没。カナダ出身の文明批評家、メディア理論家。主な著書は『機械の花嫁―産業社会のフォークロア』、『グーテンベルクの銀河系』、『人間拡張の原理―メディアの理解』など。
*横振りミシン:針が左右に動き、直接生地に文字やデザインを刺繍する。布を固定する押さえがなく、縫った布の送り機能もない。ペダルを踏んで針の動く速度を調節しながら、レバーを右足の膝で押して針を横に動かし左右の幅を出す。
1973年東京生まれ。1998年、ロンドン大学ゴールドスミスカレッジのテキスタイル学科卒業。2001年、シカゴ美術館附属美術大学で美術学修士号取得。現在は東京・大田区を拠点に活動。近年の主な展覧会に、2019年「Unfolding: Fabric of Our Life」(Center for Heritage Arts & Textile, 香港)、2020年「ドレス・コード? ―着る人たちのゲーム」(東京オペラシティギャラリー)などがある。
青山 悟展
東急多摩川線「鵜の木駅」から線路沿いに沼部方面へ歩くこと8分、木組みの格子で覆われた階段が現れます。そこを上がった2階が2002年にオープンした「アトリエひらり」です。オーナーのつちやひとみさんにお話を伺いました。
木のぬくもり溢れる入り口
「大田の工匠100人」にも選ばれたご主人のLEDランプとオーナーのつちやさん
始められたきっかけをお教えください。
「私は小さな頃から音楽が好きで、以前、横浜に住んでいた頃に大倉山記念館*で開催されていたクラシックを中心としたコンサートのボランティアスタッフとして5年間活動しました。その後、同館で音楽好きの仲間5人と春夏秋冬の年4回のコンサートを10年間企画・開催しました。2001年に自宅兼仕事場としてこちらに引っ越し、その年にご縁があってヴァイオリニストの森下幸路*さんとピアニストの川畑陽子*さんのコンサートをプライベートにここで行なったんです。思った以上に音の響きも良くて、継続してサロンコンサートを開きたいとすぐに思いました。」
お店の名前の由来をお教えください。
「ちょっと乙女チックですけど、『ある日ある時、素敵で楽しいことがひらりと舞い降りてきますように』との思いで『ひらり』の名前を考えました。長くお付き合いしているヴィブラフォン奏者の赤松敏弘*さんが『アトリエを付けてアトリエひらりにしたらいいのではないですか』と提案してくださったので、『アトリエひらり』になりました。」
お店のコンセプトについてお話しいただけますか。
「音楽をもっと身近にしたい。音楽ファンをもっと増やしたい。お客さまも演奏者もスタッフも共に楽しむことのできるコンサートを目指して活動しています。あと、展示会やイベントも行なっています。訪れた方々の心が豊かになって、笑顔があふれる場でありたいと思っています。」
サロンコンサートならではの臨場感 村井 将・チェロ、German Kitkin・ピアノ(2024年)
假屋淳子 絵画展(2019年)
石田郁子 型染め展(2017年)
扱っているジャンルについてお教えください。
「コンサートはクラシック、ジャズ、民族音楽など、幅広くやっております。過去には朗読劇も催しました。作品展は絵画、陶芸、染織、ガラス、織物などです。シリーズでやっているのですが、20名限定で音楽とフレンチのフルコースの企画もあります。あと懐石料理と音楽っていうちょっと珍しいものも行なっています。なにせ私一人でやっているので小回りがききます。」
基本はつちやさんの興味があって、納得できるものでしょうか。
「そうですね。あとは本当に運良くいいタイミングで出合うというか。自分からがむしゃらに見つけに行くという姿勢はあまりなくて、意外とフラットにしていたら『何て素敵なことに出会うんでしょう』という感じですね。」
今のお話にも繋がるのですが、作家さんやアーティストの選定方法や基準は何でしょうか。
「例えば音楽でしたら、演奏会でその方の演奏を聞いて、私自身がまずときめきを感じるのが一番。もうダイレクトにお願いします。初めて出会う演奏家の方は『え、どこのおばさんが来たの』って驚かれると思います(笑)。演奏者の方もいろいろな方がいらして、大きいステージはむいているけど、お客さまとの至近距離はむかない方もいらっしゃる。そこをしっかり見極めるようにしています。作家さんの作品展につきましても、同じくやっぱり巡り合いです。その上でこの空間にマッチする作品を選びます。」
出掛けるコンサートや展覧会はどのようにして見つけているのですか。
「年々体力が低下しているので、ライブに行く回数は減っています。ジャズのライブは夜がすごく遅いんです。ただし、一人の演奏者の方と出会うと20年30年の長いお付き合いになります。そして、素晴らしい演奏家の方は素晴らしい共演者を連れてきてくださる。今の悩みとしたら、この方にもこの方にも出てほしいけど、スケジュールがいっぱいで来年にしなくてはいけないという贅沢な悩みです。」
コンサートの終演後に演奏者を囲んでのティータイムを設けているそうですが、それについてお話しください。
「お客さまの人数が多い時は立った形ですが、ゆったりの時はテーブルを囲んでお茶と簡単なお菓子をつまみながら、演奏者と交流していただけます。ライブに行っても終演後に演奏者とはなかなか身近にお会いできないですよね。談笑となれば尚更です。皆さんとても喜んでくださいます。」
アーティストの反応はいかがですか。
「うちは控え室がないので、上のリビングでお待ちいただいています。何回も出演いただいている方は親戚の家に帰ってきたみたいだとおっしゃってくれます。お昼寝される方もいらっしゃいます。うちに初めて出演するベーシストの方が玄関で他の演奏者が上の階から降りてくるのに出くわして、『え、君ここに住んでいるの』と驚かれたこともありました。あまりにもリラックスしているので勘違いされたそうです(笑)。」
お客さまはどんな方たちでしょうか。
「最初は私のお友だちとか知り合い関係が多かったです。ホームページもなかったので、口コミで広がっていきました。始めたのは22年前ですから、以前からいらしてくださるお客さまは比較的年齢層が高くて、その頃60代の方は今では80代になります。コロナ禍で3年間お休みしたのですが、それが機会となって、今はある意味で過渡期ですね。近頃は入り口のポスターを見ました、せせらぎ公園でポスターを見ましたという方が増えてきました。」
やはり地域の方が多いのですか。
「以前は意外に鵜の木の方は少なかったです。田園調布や本町とか久が原とか御嶽山、下丸子の方がむしろ多かったです。なぜなのでしょう、敬遠しちゃうのかしら。2階ですからね、ちょっと上がりにくいのはありますよね。でも、徐々に鵜の木の方も増えてきました。通りすがりで見ましたというお電話があったりして、いい方向に向かっています。」
遠方からの方も多くいらっしゃるのですか。
「演奏者のファンの方もよくいらっしゃいます。そういう方は気合が入っていて、関西や九州方面からもいらっしゃいます。地方のお客さまやファンの方にとっては、『アトリエひらり』だから演奏者と身近に接することができるわけです。こんなことは滅多にないですから、とても感激してくださいます。」
企画展「アンティーク市」
今後の展開・展望についてお教えください。
「どこまでできるか分からないですけど、まずはコンサートを長く続けていきたい。あと、ティータイムとかもありますから、若い世代の方にもっと来ていただいて、色々な世代の方が交流できる場になればいいなと思っています。以前、こちらで個展をされた作家さんがコンサートにいらした時に、お客さまが楽しんでいる様子を見て、『アトリエひらりは止まり木のような場所ですね』とおっしゃってくださった。その言葉は私の大切な宝物です。」
鵜の木の魅力は何でしょうか。
「鵜の木はまだ凄くのんびりした雰囲気があって、住みやすい街だなと思います。多摩川の周辺の公園や、せせらぎ公園など、四季折々の自然が楽しめます。人口が増えているわりには、そんなにざわつきがないと思います。」
最後に読者の皆さんにメッセージをお願いします。
「音楽の生演奏を聴いて、音楽ファンが増えてほしいと思います。展示会でお気に入りの作品に出会って、生活の中で飾ったり、使ったりすることで人生が豊かになります。楽しさを共有して、笑顔で時を過ごし、心が温かくなり、その温かさが友人・家庭・社会に広がっていったら嬉しいです。」
*横浜市大倉山記念館:実業家で後に東洋大学学長を務めた大倉邦彦(1882年-1971年)により1932年(昭和7)「大倉精神文化研究所」の本館として創建。1984年(昭和59)横浜市大倉山記念館として生まれ変わり、1991年(平成3)に横浜市指定有形文化財に指定された。
*森下幸路:日本のヴァイオリスト。現在は大阪交響楽団首席ソロ・コンサートマスター。室内楽においても目覚ましい活動を展開。2013年より大阪音楽大学特任教授を務めている。
*川畑陽子:日本のピアニスト。1994年まで桐朋学園子供のための音楽教室講師を務める。海外ではニース、ザルツブルグ等の音楽セミナーに参加し、記念演奏会に出演。1997年にはスペインのセビリアにおける芸術祭に出演するなど活発な演奏活動を行なっている。
*赤松敏弘:日本のヴィブラフォン奏者。1989年、米 バークリー音楽大学卒。帰国後、市川秀男、鈴木良雄、日野皓正等のバンドで活躍の他、自己のバンドで各地のジャズフェスティバルやテレビ、ラジオ等に出演。2003年度作『Still on the air』(TBM) はスイングジャーナル誌のジャズディスク大賞日本ジャズ賞ノミネート。
まるで談話室のようにリラックスできる空間
喜多直毅&黒田京子 デュオ
北村聡&喜多直毅
クラシック
詳細は「アトリエひらり」のホームページをご確認ください。
今号で取り上げた春のアートイベント&アートスポットをご紹介します。ご近所はもちろん、アートを求めてちょっと遠出をしてみてはいかがでしょうか。
最新情報は、各問合せ先にてご確認頂きますようお願い申し上げます。
日時 | 7月6日(土)~7月21日(日) 12:00-19:00 |
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場所 | GALLERY futari (東京都大田区多摩川1-6-26 五月ビル) |
料金 | 入場無料 |
主演・問合せ |
GALLERY futari |
「花々に囲まれて」
日時 |
7月8日(月)~7月31日(水) |
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場所 | グランデュオ蒲田西館5階 無印良品グランデュオ蒲田店内 (東京都大田区西蒲田7-68-1) |
料金 | 入場無料 |
主催・問合せ |
株式会社Studio Zuga、WORKSHOP NOCONOCO |
音楽劇『赤毛のアン』大田区民プラザ大ホール(2019.8.24上演)
日時 |
8月4日(日) |
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場所 | 羽田エアポートガーデン 1階グランドホワイエ“能舞台” (東京都大田区羽田空港2-7-1) |
料金 | 入場無料 |
主催・問合せ |
一般社団法人EXPRESSION |
共催 |
一般社団法人大田観光協会 |
後援 |
大田区、カナダ観光局 |
日時 |
8月10日(土)~9月2日(月) |
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場所 | アート/空家 二人 (東京都大田区蒲田3-10-17) |
料金 | 入場無料 ※漫画喫茶のみ有料 |
主催・問合せ |
アート/空家 二人 |
日時 | 8月30日(金)~9月1日(日) |
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場所 | 池上本門寺・野外特設ステージ (東京都大田区池上1-1-1) |
主催・問合せ | J-WAVE、ニッポン放送、ホットスタッフ・プロモーション 050-5211-6077(平日12:00~18:00) |
日時 |
8月31日(土)・9月1日(日) |
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場所 | 大田区民ホール・アプリコ 大ホール (東京都大田区蒲田5-37-3) |
料金 |
全席指定(税込)S席 10,000円、A席 8,000円、B席 5,000円、25歳以下(A・B席のみ) 3,000円 |
出演 |
柴田真郁(指揮)、髙岸未朝(演出) |
主催・問合せ | (公財)大田区文化振興協会 03-3750-1555(10:00-19:00) |
日時 |
9月15日(日) |
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場所 | アトリエひらり (東京都大田区鵜の木3-4-15) |
料金 |
3,500円 |
出演 |
喜多直毅(ヴァイオリン)、北村聡(バンドネオン) |
主催・問合せ |
アトリエひらり |
公益財団法人大田区文化振興協会 文化芸術振興課 広報・広聴担当