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広報・情報紙

2024年度 bee cub voice みつばち隊

大田区文化芸術情報紙『ART bee HIVE』は、2019年秋から大田区文化振興協会が新しく発行した、地域の文化・芸術情報を盛り込んだ季刊情報紙です。「BEE HIVE」とは、ハチの巣の意味。公募で集まった区民記者「みつばち隊」と一緒に、アートな情報を集めて皆様へお届けします!
『bee cub voice みつばち隊』では、本紙で掲載したイベントやアートな場所へみつばち隊が取材し、区民目線でレビューしていきます。
「cub」とは、新聞記者の新米、駆け出しの意味。みつばち隊ならではのレビュー記事で大田区のアートを紹介します!

陳 淵杰 (Alvin Tan)・小杉卓 二人展「ときの痕跡」
会場/GALLERY futari 
会期/2024年9月28日(土)~10月14日(月・祝)

ART bee HIVE vol.16 特集でご紹介したギャラリーです。

大田区文化芸術情報紙『ART bee HIVE』vol.16

 みつばちネーム:大森採れパインアップルさん(2022年度みつばち隊加入)

筆を紙に乗せてから収筆までの時間。窯の中で土肌を釉薬が流れる時間。そこで生まれたものが『ときの痕跡』だ。そのような視点で書や陶器を観たことはなかったが、刻々と変化するさまが頭に浮かび、神秘的だと思った。
ポップな陶器と、モノトーンの書。対極とも言える二つの世界が空間を共有しているが、違和感はない。むしろ音楽のセッションでもしているような雰囲気だ。
シンガポールの陶器アーティスト・Tanさんと日本の書家・小杉さんを繋いだのは、オーナーと、その知人。GALLERY futariでは、国際的な交流の場になることを願って展示企画をされているそう。次はどんな出逢いがあるだろう。

展示資料PDF

勝海舟記念館開館5周年記念特別展 第2回収蔵資料展「守り伝える海舟の歴史遺産」 
会場/大田区立勝海舟記念館
会期/2024年7月12日(金)~11/10(日)

ART bee HIVE vol.1 特集でご紹介した記念館です。

大田区文化芸術情報紙『ART bee HIVE』vol.1

 みつばちネーム:雪谷のさくらさん(2024年度みつばち隊加入)

今回見学したのは、勝海舟記念館開館5周年記念の特別展「守り伝える海舟の歴史遺産」です。特に印象に残ったのは、勝海舟が所用していた肩衣(かたぎぬ)*でした。この肩衣には、勝家の家紋である「丸に剣花菱」があしらわれており、修復の跡が随所に見受けられました。
 学芸員の方の説明を受ける前は、記念館による修復の跡が残っていないほうが美しいと感じていました。しかし、修復跡をあえて残すことで、どこをどのように修復したのかを次世代に伝えられることを知りました。展示品の修復技術は、歴史資料を未来へ継承するために大切な役割を果たしています。
 記念館全体の魅力として、外観や窓ガラスのデザイン、モザイク調のタイルなど建築としても特徴があります。洗足池図書館から記念館へ向かう通路にはオリジナルデザインのタイルが敷かれており、訪れる道中も楽しめます。
 企画展だけでなく、記念館全体を通して歴史や文化に触れられる素晴らしい体験でした。
※「肩衣」は袴とともに用いる袖のない伝統的な上衣で、儀礼や公的な場で着用されることが多い。

「フレッシュ名曲コンサート」
偉大なる楽聖!!あなたの推しは?! モーツァルト VS ベートーヴェン
会場/大田区民ホール・アプリコ 大ホール
会期/2024年11月9日(土)15:00開演

 みつばちネーム:羽根付きギョウザさん(2023年度みつばち隊加入)

身近な地域で気軽に名曲に親しむ機会を提供すること、新進音楽家の発掘と育成を図ることを目的に開かれたコンサート。東京都歴史文化財団 東京文化会館が協力しています。
35歳の短い生涯で600曲以上の音楽作品を作曲した『天才』モーツァルト。ロマン派の先駆けとして、市民のために音楽の扉を開いた『楽聖』ベートーヴェン。それぞれの偉大なる名曲をじっくりと味わうことができました 
前半はモーツァルト。『<魔笛>序曲』は、指揮棒が描く線の上をポンポンと音符が表れるかのよう。一気に曲の世界へ引き込まれてしまいます。続く『ファゴット協奏曲変ロ長調K.191』は前曲とは打って変わり居住まいを正した音色が美しく、宮廷音楽家として生きたモーツァルトの時代を彷彿とさせます。
後半はベートーヴェン。『交響曲第五番<運命>』は、旋律がまるで明と暗、濃淡によって繰り広げられる激しいフォビズム絵画のよう。聴覚障害に喘ぎながら創作を続けた彼の生涯に思いを馳せたのです。
二人の音楽からそれぞれの生き様の違いを耳で感じながら、豊かな時間を過ごすことができました。

『アプリコ・クリスマス・フェスティバル2024
「バレエ!バレエ!!バレエ!!!特別版〜くるみ割り人形とオーケストラの国〜」』
会場/大田区民ホール・アプリコ 大ホール
会期/2024年12月14日(土)15:00開演

 みつばちネーム:池上のワンコさん(2024年度みつばち隊加入)

バレエの名シーンをオーケストラの生演奏と、バレエダンサーたちの踊りで楽しむステージを鑑賞しました。プログラムは、誰もが知る人気の曲で構成されています。しかも、初心者にもわかりやすいナビゲーターの解説付きでした。
オーケストラの音色は、生演奏ならではの繊細さと迫力で、体全体に響き渡ります。
間近で見るバレエダンサーたちの優美な姿にも感激。特に『ボレロ』を踊る二山治雄氏は、エネルギッシュでありながら、しなやかさも兼ね備え、独特の空気感を醸し出していました。帰り道にもその余韻が残り、バレエへの興味が一気に高まった冬の夜でした。

かなの美展「再開記念 『土佐日記』からはじまる恒子とかな」
会場/大田区立熊谷恒子記念館 
会期/2024年10月12日(土)~12月8日(日) 

みつばちネーム:馬込RINさん(2019年度みつばち隊加入)

 

耐震工事が済んだ記念館の再開に合わせ、恒子が書家として活躍する転機となった『土佐日記』から、晩年までの作品が展示されていました。『土佐日記』は泰東書道院*展にて、かな書特選を受賞した、恒子40歳の書。目にした瞬間、凛とした古筆の書体でありながらも、恒子の素直さと温かみが伝わってきました。
展示資料にある恒子のエッセイには「古筆の研究に日の浅い私は書いて見たい気分と書きあらわせない気分に挟まれて、言うにいわれぬ苦しい思いをいたしました」と当時の心境が綴られています。その文に続けて、法帖*がボロボロにちぎれ、文字が見えなくなるまで熱心に研究する師(岡山光陰)の姿を見て、古筆に一歩でも近づくには努力しかないと悟ったとあります。更にかな書の原型の草書を学び、古筆の臨書*に務め、『土佐日記』の全文を修習した旨の経緯が書かれていました。
『土佐日記』は並々ならぬ恒子の努力により生まれたのです。      
恩師である岡山高蔭と尾上柴舟の作品も出展され、熊谷恒子の書の原点を知る良い機会となりました。

※泰東書道院:当時の中心的な書道団体
※法帖:学習、鑑賞のためにしたてられたもの
※臨書:手本を見て書くこと

川端龍子+高橋龍太郎コレクション コラボレーション企画展「ファンタジーの力」
会場/大田区立龍子記念館 
会期/2024年12月7日(土)~3月2日(日) 

 みつばちネーム:山王すばこさん(2021年度みつばち隊加入)

前回2021年の初コラボを取材して以来、川端龍子と高橋龍太郎コレクション企画第二弾を心待ちにしていました。今回のテーマは「ファンタジーの力」。鑑賞する側が、各々のファンタジーの世界を紡いでいけるように、6章の「物語」に分けて展示されています。各章の「物語」それぞれの作品も見応えありでしたが「第3章 土と光、風の物語」の玉山拓郎作品のアクリルミラーの中をのぞき込んだ時、映り込んだ「第5章 海の物語」の作品群に気づきました。アクリルミラー越しに、まるで海の底にある異世界を垣間見るような体験ができる展示で、キュレーターの方のこだわりをとても感じました。コラボ第三弾もとっても楽しみにしています。

 

みつばちネーム:吞川のほとりさん(2021年度みつばち隊加入)

今回の企画展は「ファンタジーの力」というタイトルで、館内に入るとまず川端龍子の『花摘雲』という大作に魅せられました。昨年の5月に訪れた際は、中国取材のゾーンにあり、合戦が行われた大地に広がる草花と優しい雰囲気の観音様という印象だったのですが、今回はファンタジーの名のもと、雲を観音様に見立てた発想の自由さと、4体描かれている観音様がそれぞれ違うことをしている面白さに気づきました。まさに、展示の仕方によって見え方がガラリと変わる体験です。そして、展示方法と言えば、アトリエに飾られた加藤泉の現代アートも秀逸でした。チラシに載っている東京都庭園美術館の時は正面しか見られなかったそうですが、後ろに回って鑑賞出来たんです。前からは土着的な顔のインパクトが強くて好きになれなかったけれど、後ろ姿の可愛いこと。お尻のぐるぐると庭の背景の妙で、この作品が「好ましいもの」になりました。