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更新日 | お知らせ内容 |
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協会熊谷恒子記念館
熊谷恒子記念館 かなの美展「再開記念 『土佐日記』からはじまる恒子とかな」の開催について |
熊谷恒子記念館は、施設の改修工事のため2021年10月から休館しておりましたが、2024年10月から再開する熊谷恒子記念館でかなの美展を開催します。書家・熊谷恒子(1893~1986)は尾上柴舟(1876~1957)及び岡山高蔭(1866~1945)に師事し、古典を研究しました。恒子は、1933年に第四回泰東書道院展で《土佐日記(初巻)》を出品し、東京日日・大阪毎日新聞社賞を受賞しました。『土佐日記』は、平安時代に紀貫之が任務を終えて土佐国(高知県)から京都へ戻る紀行文を表した日記文学のひとつです。恒子は、当時臨書していた『関戸本古今和歌集』の書体を用いて、その作品を制作しました。そして、「古筆の研究にまだ日の浅い私は、書いて見たい気分と書きあらはせられない気分とに挟まつて、云ふにいはれぬ苦しい思ひ」(註)をしたと当時の心境を振り返ります。
恒子は、古典の習得を積み重ね、臨書を繰り返しました。『竹取物語』は、『源氏物語』絵合の巻で、「絵は巨勢の相覧、手は紀貫之かけり」といわれています。恒子は、『竹取物語』を絵巻(1934年頃)で情緒豊かに試みました。また、藤原行成(一条天皇の蔵人頭)が書いたと伝えられる『関戸本古今和歌集』を手本に、折帖の《(臨書)関戸本古今集》を制作しました。それから柴舟や高蔭を偲んで、恒子は古典の研究をもとに更なる展開を求め、日本書道美術院発足時に審査員を務め、日展の委嘱作家となります。1965年には、恒子主催の堅香子会書道展を初めて開催しました。
その第一回展に出品した《すまには》(1964年)は、『源氏物語』第十二帖の「須磨」の部分を題材としています。また、卒寿記念に開催された個展で展示した《手につみて》(1982年)は、『源氏物語』第五帖の「若紫」における光源氏の紫の上に対する愛しさを表現するなど、古筆を尊重する姿勢を示しています。恒子は、柴舟と高蔭に出会い、かな書の発展に尽力しました。本展では、かな書をはじめた初期の作品から晩年の秀作まで、恒子の品格が表現された代表作を紹介します。
○熊谷恒子と『土佐日記』
恒子は、「日記中には洒脱な諧謔あり、辛辣な皮肉あり、また感傷的なところもあつて、紀貫之の人間味が躍如としてあらはれ、且又非常に文藝的なる作品」(註)と『土佐日記』を評価しています。1933年に《土佐日記(初巻)》(『土佐日記』三部構成のうち第一部のみ)を発表するため、同時期に恒子は『土佐日記』の草稿を何度も試み、その全文を記した帖二冊を制作しています。
※紀貫之は、平安時代の歌人で、最初の勅撰和歌集『古今和歌集』の編者の一人として、冒頭の序文をかな書で執筆しています。また、『古今和歌集』二十巻の自筆本と称される「高野切三種」や「寸松庵色紙」は、貫之筆と伝わります。恒子は、『古今和歌集』の和歌を臨書した「寸松庵色紙」について「筆力、筆勢もあり、運筆は円転自在に書いてあり、脱俗超妙にして秀麗典雅」とその書の特徴を述べています。
註 熊谷恒子「云ふに云はれぬ思ひ」『書道』第三巻第二号、1934年2月、泰東書道院
熊谷恒子記念館 かなの美展「再開記念 『土佐日記』からはじまる恒子とかな」
会期 | 2024年10月12日(土)~12月8日(日) |
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開館時間 |
9:00~16:30(入館は16:00まで) |
休館日 | 毎週月曜日(祝日の場合はその翌日) |
入館料 |
一般100円、中学生以下50円 |
地域連携プログラム | 「現代アート 思うがままに―平面と立体作品―」 2024年10月12日(土)~12月8日(日) 地域で文化・芸術活動を行っている方と連携したコラボレーション展示を、かなの美展開催期間中に併催します。今回は、区内で「Eiko OHARA Gallery」を運営する大原瑩子氏の彫刻やコラージュ、油絵等を展示します。 |
ギャラリートーク | 2024年10月19日(土)、11月3日(日)、11月23日(土・祝) 各日11:00及び13:00 各回事前申込制 展示内容を解説します。 お申込み先(TEL:03-3773-0123 大田区立熊谷恒子記念館)へ電話でお申込みください。 |
庭園公開 | 2024年11月1日(金)~11月4日(月・祝) 9:00~16:30(入園16:00まで) 庭園を期間限定で公開します。地域連携プログラムの屋外展示作品とともに庭園をご鑑賞ください。 |
会場 |
JR京浜東北線 大森駅西口から東急バス4番「荏原町駅入口」行乗車「万福寺前」下車、徒歩5分 都営地下鉄浅草線 西馬込駅南口から南馬込桜並木通り(桜のプロムナード)に沿って徒歩10分 |