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協会熊谷恒子記念館

池上会館出張展覧会 熊谷恒子かなの美展「熊谷恒子が表現する 華麗なる源氏物語の世界」の開催について

池上会館出張展覧会 熊谷恒子かなの美展「熊谷恒子が表現する 華麗なる源氏物語の世界」

会期:2024年5月18日(土)~5月26日(日)

展示内容の紹介

 熊谷恒子記念館は、施設の改修工事のための休館に伴い、池上会館で出張展覧会を開催します。書家・熊谷恒子(1893~1986)の書業を振り返り、かな書の魅力を紹介します。恒子が「仮名は日本の国字である」と述べるように、かな書は中国から伝来した漢字をくずして、日本において発達した書です。平安時代に成立したかな書が昭和初期に再度注目される中、恒子は「平安朝の仮名を学ばねばならない」と意気込みました。

 本展では、平安時代に中宮彰子(一条天皇の皇后)に仕えた紫式部の『源氏物語』をはじめ、藤原行成(一条天皇の蔵人頭)が書いたと伝えられる『関戸本古今和歌集』や、『源氏物語』の写本を制作した藤原定家(後鳥羽天皇の権中納言)を筆頭に編纂された『新古今和歌集』などを題材に、恒子が制作した作品を紹介します。

 折帖に仕上げた《梅ケ枝(源氏物語)》(1941年頃)の他に、主人公・光源氏が退去した兵庫・須磨の浦で心寂しさを詠んだ《おまへにいと人(源氏物語)》(1968年)や、出家した藤原道長(中宮彰子の父)と長女・彰子が交わした和歌《から衣(新古今和歌集)》(制作年不詳)など、当館が所蔵する代表作品とともに、恒子が表現した華麗な書を展示します。

 

○『源氏物語』とかな書について

 「よろづのこと、昔には劣りざまに、浅くなりゆく世の末なれど、仮名のみなむ、今の世はいと際なくなりたる」と光源氏が述べた『源氏物語』において、恒子は「源氏物語梅枝の巻で、源氏の君の言葉をかりて紫式部も其隆盛をのべてゐる」と当時かな書が隆盛していたことを言及しています。『源氏物語絵巻』や『紫式部日記絵巻』の書を尊重した恒子は、かな書の向上に邁進しました。

 

 ※『源氏物語絵巻』とは、『源氏物語』を題材に制作された現存最古の絵巻物です。藤原隆能(近衛天皇の絵所預)がその絵師と伝えられ、「隆能源氏」と呼ばれています。恒子は、「隆能源氏」について「勢い終りの方で無理が出来ます。其の無理が巻物を書く場合大変面白味が出来るのであって隆能源氏は其の辺の妙味を極めております」と評価しています。

 

○熊谷恒子の印影

 熊谷恒子記念館には、恒子が愛用していた28点程の自用印を収蔵しています。恒子と交流のあった篆刻家の高畑翠石(1879~1957)や保多孝三(1908~1985)が彫った印章があり、作品や書の大きさに合わせて押印されています。恒子は、「紙の大きさ、字の大きさにより、場合に応じて使用する印」として、印の書体や配置に執心していました。恒子の書と印の関係を紹介します。

※熊谷恒子記念館は、施設の老朽化に伴い、調査及び改修工事のため2021年10月15日(金)から2024年9月30日(月)まで休館とさせていただきます。

 

池上会館出張展覧会 熊谷恒子かなの美展「熊谷恒子が表現する 華麗なる源氏物語の世界」

熊谷恒子《梅ケ枝(源氏物語)》1941年頃 大田区立熊谷恒子記念館所蔵

熊谷恒子《おまへにいと人(源氏物語)》1968年 大田区立熊谷恒子記念館所蔵

展示情報

【安全にご見学いただくために、引き続き以下のご協力をお願いいたします。】

※マスクは極力着用いただくようお願いします。

※体調不良の場合は、来館をご遠慮ください。

会期 2024年5月18日(土)~5月26日(日)
開場時間

9:00~16:30(入場は16:00まで) 

休館日 会期中無休
入場料 無料
ギャラリートーク 展示内容を解説します。
2024年5月19日(日)、5月25日(土)、5月26日(日)
各日11:00及び13:00
各回事前申込制
お申込み・お問合せ先(TEL:03-3772-0680 大田区立龍子記念館)へ電話でお申込みください。
会場

池上会館1階 展示ホール(大田区池上1-32-8)

東急池上線 池上駅から下車、徒歩10分

JR大森駅西口東急バス 池上方面行乗車、本門寺前から下車、徒歩7分

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