熊谷恒子記念館 かなの美展「熊谷恒子と『万葉集』―晩年までの荘重な書―」の開催について
展示
熊谷恒子記念館 かなの美展「熊谷恒子と『万葉集』―晩年までの荘重な書―」
会期:2025年12月20日(土)~2026年4月5日(日)
展示内容の紹介
書家・熊谷恒子(1893~1986)は、昭和期に女性かな書の第一人者として活躍しました。熊谷恒子記念館では、かなの美展を開催し、日本最古の和歌集である『万葉集』を題材として、恒子が晩年まで制作した作品を紹介します。『万葉集』は、奈良時代に大伴家持(おおとものやかもち)が編纂したと伝わる和歌集です。『万葉集』に関心を持っていた恒子は、『万葉集』や『古今和歌集』の和歌を平安時代に書写した「継色紙(つぎしきし)」の筆跡を研究し、「筆致頗る老蒼古勁(深い趣を感じさせ、古風で力強い)にして散らし方にも世俗を脱した独特の趣がある」(註1)と評価しています。
とくに、恒子は「老筆らしく渋味と荘重な書」(註2)と尊重していた「継色紙」の散らし書きに注目しました。かな書において「散らし書き」は、文字の配置構成によって、余白を活かした書を表現する技法です。「継色紙」は、異なる料紙をつなぎ、和歌一首を継ぎ書きしているため、空間を美しく活用した散らし書きの特徴があります。
本展では、舒明天皇(じょめいてんのう)が奈良・香具山を詠んだ『万葉集』の和歌を表現した《やまとには》(1957年)や、持統天皇(じとうてんのう)が初夏に奈良・香具山を詠った和歌を題材とした《春すぎて》(1966年)の他に、志貴皇子(しきのみこ)が奈良・藤原京に遷都した後、かつて飛鳥宮を追想した和歌にもとづいた《うねめのそで》(1982年)などを展示します。『万葉集』の和歌を中心に、恒子の代表作品をお楽しみください。
註
1 熊谷恒子「継色紙について」『書道』第5巻9号、泰東書道院、1936年9月
2 熊谷恒子『書道 かな―基礎から創作までー』マコー社、1978年
〇地域連携プログラム「東京手描友禅 染色の技巧」
地域で文化・芸術活動を行っている方と連携した展示を、かなの美展開催期間中に併催します。今回は、大田区伝統工芸士・町田久美子(まちだくみこ)氏の現代的な東京手描友禅の着物や帯などを、熊谷恒子の書とともに紹介します。
会期:2026年2月25日(水)~4月5日(日)
料金:入館料に含む
〇第4回記念館講座「熊谷恒子と江馬家 風俗史家の兄・務の追想」
日時:2026年3月21日(土)14:00~15:30
会場:大田文化の森 5階多目的室(大田区中央2-10-1)
定員:100名(定員を超えた場合は抽選)
締切:3月6日(金)必着
申込:往復はがきかFAX、『募集情報』に郵便番号、住所、氏名(ふりがな)、年齢、電話番号、希望人数(2名様まで)、講座名を明記のうえ、下記お問合せ先へお送りください。
※返信用はがきには、代表の方の住所と氏名をご記入ください。
※FAXの方は返信可能なFAX番号でお申込みください。
お申込はこちらから
熊谷恒子記念館 かなの美展「熊谷恒子と『万葉集』―晩年までの荘重な書―」

熊谷恒子《やまとには(万葉集)》1957年 大田区立熊谷恒子記念館所蔵

熊谷恒子《わがやどに(万葉集)》1973年 大田区立熊谷恒子記念館所蔵

熊谷恒子《うねめのそで(万葉集)》1982年 大田区立熊谷恒子記念館所蔵
展示情報
| 会期 | 2025年12月20日(土)~2026年4月5日(日) |
|---|---|
| 開館時間 |
9:00~16:30(入館は16:00まで) |
| 休館日 | 毎週月曜日(祝日の場合はその翌日)及び年末年始(12月29日~1月3日) |
| 入館料 |
一般100円、中学生以下50円 |
| ギャラリートーク | 2026年1月24日(土)、2月23日(月・祝)、2月28日(土)、3月14日(土) 各日11:00及び13:00 展示内容を解説します。 詳細は、お電話(TEL:03-3773-0123 大田区立熊谷恒子記念館)にてご確認ください。 |
| 会場 |
JR京浜東北線 大森駅西口から東急バス4番「荏原町駅入口」行乗車「万福寺前」下車、徒歩5分 都営地下鉄浅草線 西馬込駅南口から南馬込桜並木通り(桜のプロムナード)に沿って徒歩10分 |
