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熊谷恒子記念館 かなの美展「西行の『山家集』 熊谷恒子が親しんだ書」
会期:令和7年4月19日(土)~令和7年7月6日(日)
展示内容の紹介
熊谷恒子記念館では、かなの美展を開催します。
本展では、平安時代の僧侶・西行(さいぎょう 1118~1190)が詠んだ和歌集『山家集(さんかしゅう)』を中心に、恒子が親しんだ書を紹介します。西行は、鳥羽天皇(1103~1156)の武士として、奉仕していました。1140年に西行法師と号して出家した後に日本各地を旅し、晩年には大阪・弘川寺に庵居して1190年に入寂しました。西行について恒子は、「鳥羽上皇に仕へた北面の武士が、出家して西行また圓位ともいはれ歌人として名高い」と評価しています。
恒子は、西行が書写したと伝わる『一條攝政集(いちじょうせつしょうしゅう)』を臨書し、西行の和歌や書に関心を持ちました。『一條攝政集』は、平安時代の一条摂政・藤原伊尹(ふじわらこれただ:924~972)の歌集で、歌物語としても注目されています。恒子は、『一條攝政集』の筆跡について「文字も大きく暢々(のびのび)としています。窮屈なものでないだけに親しみ深い書風」であると称賛しています。西行の『山家集』を重宝していた恒子は、『一条攝政集』をくり返し臨書し、西行の歌風にあわせた流暢な書を追求し、多くの作品を制作しました。
本展では、西行が三重・福王山の毘沙門堂を参詣し、麓の梅ケ丘に庵を設けた際に詠んだ『山家集』の和歌を表現した《伊勢のにし》(一九三四年頃)や、奈良・吉野山に到来する春の情景を称えた『山家集』の和歌を題材とした《よしの山》(一九八五年)などを展示します。西行の和歌と書に親しんできた恒子の作品をお楽しみください。
主な展示作品


展示情報
会期 | 令和7年4月19日(土)~令和7年7月6日(日) |
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開館時間 | 9:00~16:30(入館は16:00まで) |
休館日 | 月曜日休館(月曜が祝日の場合は、その翌日が休館) |
入館料 | 一般100円、中学生以下50円 ※65歳以上(要証明)、未就学児及び障がい者手帳等をお持ちの方とその介護者1名は無料 |
ギャラリートーク | 2025年4月26日(土)、5月4日(日)、5月24日(土)、6月21日(土) |
会場 | 大田区立熊谷恒子記念館 |